抱っこで眠っていた日々が、宝物になる。嬉しさと少しの切なさの記録

最終更新日:2025年11月17日

世田谷区の赤ちゃん専門ベビーシッター・発達サポートのBaby port(ベビーポート)です。

今日は、シッティングの中で心に残っているエピソードをお話しします。

2歳8ヶ月の男の子。
初めて会ったのは、まだ7ヶ月のころでした。

お母さんが教えてくれたのは、

ママのアイコン

抱っこじゃないと眠れなくて…  お布団に置くとすぐ起きちゃうんです

という悩ましさと、そっとにじむ愛おしさ。

たしかにその頃の彼は、眠ることがちょっと苦手。
腕の中で安心しきったように眠っても、布団に置くとすぐにパチッ。
小さな物音にも敏感に反応していました。

でも、1歳を過ぎた頃から少しずつ変わっていきました。

抱っこで眠ったあとも、布団にそっと置くとそのままスヤスヤ…。
大の字で堂々と眠る姿は、まるで“ぼく、もう大丈夫だよ”と伝えているようで、成長の力強さに胸が温かくなりました。

そして1歳8ヶ月の頃――。

抱っこで寝かしつけていると、

ママ
ぼくおりるよ~!

とでも言いたげに、抱っこからスルッと降りて横にごろん。
そして、自分の腰をちょんちょん。
“ここをトントンしてね”と、自分でリクエストできるようになったんです。

2歳4ヶ月になった頃には、こんな姿も。

トントンしている手を、そっと外して、
絵本を指差しながら

ママ
トントンはいいから、えほんよんで〜

と言いたそうにニッコリ。

あれほど抱っこでしか眠れなかった子が、気づけば
「だいじょうぶ、もうこっちで寝られるよ」
と自分で未来へ進んでいく。

抱っこで寝かしつける時間は永遠じゃない。
その“終わりの瞬間”って、ある日ふいにやってきます。

もし自分の子だったら、成長が嬉しい反面、ちょっとだけ胸がきゅっとするんだろうなぁ。
「まだ抱っこさせてほしいな…」って。
そんな気持ちを噛みしめながら、成長を安心して見守れるのもベビーシッターという仕事の醍醐味です。

そして10歳の私の息子。
一人で眠るのが少し苦手で、特別なことはしなくても、ただ隣にいるだけで安心する様子がかわいくて。

「いつまで一緒に寝る?」と聞くと
「9歳!…やっぱ10歳かな!」
と、毎年そっと延長してくるのもまた愛おしくて。

“子どもが大きくなっていく”って、
嬉しさと少しの切なさがまぜこぜになったあたたかい時間。

その変化を、ママと同じ気持ちで、そばで見守らせてもらえることが
私にとって大きな幸せです。