最終更新日:2025年11月17日
世田谷区の赤ちゃん専門ベビーシッター・発達サポートのBaby port(ベビーポート)です。
今日は、シッティングの中で心に残ったエピソードを紹介します。
食が細い5歳のKちゃん。
この日はお母さんが作ってくれたお弁当に、Kちゃんがちょっと苦手な冷凍食品が入っていました。
Kちゃんは口をギュッと閉じて、困った表情でお箸を止めました。
「はじめて食べるの?」と聞くと、
「前は食べてたけど、今は好きじゃないんだよね」とのこと。
きっとお母さんは、これなら食べてくれると思って入れてくれたのでしょう。
そこで、「ママに苦手って伝えられそう?」と聞くと、Kちゃんは少し考えて言いました。
「う〜ん…おてがみかきたい!」
Kちゃんは病気を抱えて生まれ、小さな頃は食べることより治療を優先してきました。
お母さんはいつも、「無理しないで、食べられるだけでいいよ」と声をかけてくれていました。
その言葉に込められているのは、口から食べられること、好きなものを食べて「おいしい!」と言えることだけで十分、という思い。
もしかしたら、Kちゃん自身も、口から食べられる日が来るなんて思っていなかったかもしれません。
「どうやって伝えたらいいかな?」
私も母の気持ちになって一緒に考え、Kちゃんと一文字ずつ丁寧にお手紙を書きました。
お弁当を作ってくれた感謝の気持ち、苦手なおかずのこと、そして卵は甘い方が好き、という小さな好みも添えて(笑)
次に会ったとき、Kちゃんは嬉しそうに教えてくれました。
ママにつたわったよ!」
親からすると「言ってくれたらいいのに!」と思うこともありますよね。
でも、子どもは「これキライ」と言ったら、大好きなママが悲しむかも…と考えていることもあるのです。
小さなお弁当箱の中にあるのは、完食のゴールだけではありません。
好きなもの、苦手なものを伝えられること。
「おいしいね」と感じながら食べられること。
それこそが、子どもにとって大切な一歩です。
はじめての一歩をそばで見守り、大切な人に想いを届けるお手伝いができたこと、私にとっても嬉しい時間でした。
大切な人に想いを届けるお手伝いができて嬉しかったです。

