離乳食はおかゆからでいいの?|医師が教える「体・知能がグングン育つ離乳食」(宗田哲男 著)レビュー&体験談

最終更新日:2026年2月14日

世田谷区の赤ちゃん専門ベビーシッター・発達サポートの
Baby port(ベビーポート)です。

子育て中のお母さんにぜひ読んでいただきたい一冊をご紹介します。

書籍タイトル: 体、知能がグングン育つ離乳食
著者: 宗田哲男・岡田清春・今西康次・藤川徳美・高橋純一
出版社: エクスナレッジ

離乳食が始まると、「栄養は足りている?」「この量で大丈夫?」と不安になりますよね。
『体・知能がグングン育つ離乳食』は、たんぱく質・鉄分・糖質のバランスという視点から、離乳食の常識をやさしく見直してくれる。
食べているのに落ち着かない、グズグズが多い――そんな悩みに、栄養の面からヒントをくれます。
完璧を目指さなくていい。
今日の一口から変えていける、そう思わせてくれる一冊です。

たんぱくリッチという新しい離乳食の考え方

少し前から気になってる「たんぱく質」。

分子栄養学の視点から、金子拓人先生も全世代に向けてたんぱく質の重要性を伝えています。
私も以前、著書『食治』のレビューをご紹介しました。

そして、ついに——
その考え方がベビーの世界にも広がっています。

それが、”たんぱくリッチ食

その名の通り、たんぱく質をしっかり、そして質にもこだわって摂るという新しい離乳食の考え方です。

赤ちゃんから幼児期、さらには妊婦さんまで。
成長に欠かせない栄養を、やさしく、分かりやすく教えてくれます。

離乳食って、始まる前から不安だらけですよね。

「ミルク飲まないけど食べるかな?」
「味付けはしてもいい?」
「どのくらい潰せばいい?」

私も何度も検索しては、食べない息子を前にさらに迷子に。
“これって初期?中期?後期?”と、分からなくなることもありました。

離乳食の常識と、ちょっと違う視点

一般的な離乳食は、
おかゆ → 野菜・果物 → 白身魚や卵
という順番で進みますよね。

母乳の成分を知っていますか?
脂質55%・乳糖39%・たんぱく質6%。

ずっと脂質たっぷりの母乳や甘いミルクを飲んできたのに、離乳食が始まった途端、ほぼ脂質ゼロのおかゆ中心に。

「なんで食べないの?」
「味がないから?」

と疑問に感じたり離乳食が始まった途端、便秘に悩まされるママも多いはず。

この本は、こうした“モヤモヤ”を医学的な根拠とともに説明してくれるので、読んでいてとても納得感があります。

この本では、
最初に大切なのは、たんぱく質と脂質。炭水化物の優先順位は一番低いという考え方。
つまり、「おかゆだけ」から始めず、肉や魚も早めに取り入れていくという提案です。

栄養と子どもの様子はつながっている

グズグズしやすい、落ち着きがない、夜なかなか眠れない——。
「月齢のせいかな?」「性格かな?」と思ってしまうこと、ありませんか?

この本を読んで知ったのは、子どもの様子と栄養は深くつながっているという視点。

体をつくる材料が足りなければ、心や行動にも影響が出ることがある。
そう考えると、日々の“あるある”が少し違って見えてきました。

たんぱく質は“体と心”の材料

たんぱく質は、筋肉や骨だけでなく、ホルモンや神経伝達物質の材料にもなります。
つまり、体だけでなく“心”をつくる材料でもあるということ。

特に0〜2歳は、人生でいちばん成長が著しい時期。
この時期に必要な材料が不足すると、

体が大きくなりにくい
夜泣きやグズグズが増える
落ち着きにくい

といった様子につながる可能性もあるそうです。

「カロリーは足りているはずなのに、なんだか元気がない」
そんなモヤモヤの背景に、たんぱく質不足が隠れていることもあるのかもしれません。

6か月以降は鉄不足に注意

もうひとつ大切なのが鉄分です。

赤ちゃんは、生まれたときにお母さんからもらった鉄を体に蓄えていますが、生後3か月頃から減り始め、6か月以降は不足しやすい状態になります。

鉄が不足すると、

寝つきが悪い
不機嫌になりやすい
集中しにくい
疲れやすい

といった様子につながることもあるそうです。
離乳食が始まるタイミングと、鉄が不足しやすくなる時期はちょうど重なります。
だからこそ、意識的に鉄を含む食材を取り入れることが大切なんですね。

糖質中心の離乳食で起こりやすいこと

おかゆやパン、うどんなど、やわらかくて食べやすい炭水化物は、離乳食の定番。

でも、糖質中心になると、

血糖値が急上昇し、その後急降下する
グズグズしやすくなる
甘いものを欲しがる
お腹がいっぱいで、たんぱく質が入る余裕がない

という悪循環が起こりやすいといわれています。

お腹は満たされているのに、体に必要な栄養が足りていない。
いわゆる“質的栄養失調”の状態です。

だからこそ、

たんぱく質+良質な脂質を土台に、鉄分を意識する
という考え方が、この本では提案されています。

離乳食は「どれだけ食べたか」よりも、“何で満たすか”が大切。
そう気づかせてくれる内容でした。

わが家の体験

息子は小さい頃、たんぱく質や糖質のバランス以前に、まず「食べない子」でした。

ミルクもほとんど飲まず、
1歳3か月頃まで、ほぼバナナとヨーグルトで育ったような状態。

早産で生まれたこともあり、発達もゆっくり。
体がなかなか大きくならないのは、栄養だけが原因ではなかったと思います。

生まれもった気質なのか、昔からとても穏やかな子。
手がかからない反面、「元気が足りないのかな」「体力がないのかな」と心配になることもありました。

健診のたびに身長や体重の数字を見ては、
「このままで大丈夫?」
「どうやってカロリー増やしたらいいの?」
と、不安になる日も少なくありませんでした。

栄養を意識し始めた転機

食べられる量が少しずつ増え、いわゆる“食べ盛り”に入った2年前。

成長ホルモン注射の治療もラストスパートに差しかかり、
「今できることは全部やろう」と思い、栄養を本格的に見直しました。

・毎食たんぱく質を意識する
・鉄分をしっかり摂る
・不足していた亜鉛は医師の指示で補う

すると、驚くほど急に身長の伸びが良くなったのです。
特に昨年の秋頃から取り入れた亜鉛の効果なのか、ここ2ヶ月で2cm伸びました。

もちろん、治療の効果もあったと思います。
それでも伸び悩んだ時期もあったので、栄養の大切さを実感しました。

栄養は、子どもへのいちばんの贈り物

栄養は魔法ではありません。
昨日食べたから、今日ぐんと伸びるわけでもない。

でも、じわじわと体の材料になり、あるとき“伸びる準備が整った瞬間”に、一気に花開く。
そんな感覚がありました。

共働き家庭が増え、毎日手作りや完璧な栄養バランスを考えるのが難しい時代。
私もフルタイムで働いていた頃は、余裕なんて正直ありませんでした。

それでも今思うのは、
栄養で体を整えることは、子どもへの最大の贈り物かもしれないということ。

高価な習い事よりも、
特別なおもちゃよりも、
まずは「体をつくる材料」を届けること。

できる範囲でいいし、
完璧じゃなくていい。
気づいた時からでも遅くないです。

でも、“少し意識する”だけで、未来は変わるかもしれない。

わが家の経験が、
今悩んでいる誰かの小さな希望になればうれしいです。

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